日本の医療・介護システムが崩壊の危機に瀕する「2040年問題」。その解決策はどこにあるのでしょうか。1月14日に開催された済生会吹田病院・岡上武医師による研修会では、現場の過酷な現状とともに、未来を切り拓くための「ターゲット(要介護1)」と「担い手(外国人材)」について、極めて重要な提言がなされました。
本稿では、講演で示された重要データ(図表)を読み解きながら、これからの介護業界が進むべき道を紐解きます。
講演の冒頭で突きつけられたのは、絶望的なまでの「人手不足」の現実です。
今後、激増する高齢者を支えるためには、この労働力の欠落(ギャップ)を埋める外国人材を、単なる「労働力」としてではなく、「日本の社会基盤を支えるパートナー」として積極的に受け入れ、育成していく体制が急務となります。
次に、介護の現場で戦略的に最も重要となるのが、「どの段階で、どのような介入をするか」という点です。以下の図をご覧ください。
この表の中で、私たちが最も注視すべきは赤字で示された「要介護1」です。
「要支援」から「要介護」へと移行した直後のこの段階は、「社会復帰できるか、寝たきりへ向かうか」の分水嶺(分岐点)です。
社会復帰を目指す、あるいは穏やかな最期を迎えるためには、その人の状態に合った施設選びも重要です。
「要介護1」の人々を社会復帰へと導き、不足する労働力を「外国人材」の力で補う——。
岡上医師の講演から見えてきたのは、単なる悲観論ではありません。
「適切な教育を受けた外国人材が、日本の高齢者の社会復帰(要介護1からの回復)を支える」
これこそが、大介護時代を乗り越えるための明確なビジョンです。これからの介護教育には、言葉や文化の壁を越え、確かな技術と「自立支援」の視点を持ったプロフェッショナルを育成することが強く求められています。