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【永住許可の適正化】「故意に公租公課を支払わない」場合の在留資格取消し—改正入管法と出入国在留管理庁Q&Aの要点

2026.1.26 ニュース
令和6年(2024年)6月に公布された出入国管理及び難民認定法等の改正により、永住者の在留資格について新たな取消事由が法律上追加されます。報道で注目されやすい「税・社会保険料の未納」ですが、条文・官庁説明に照らすと「未納=直ちに取消」ではなく、「故意に」支払わない悪質な場合を想定した慎重運用が前提です。本稿は一次に近い法務省・出入国在留管理庁の公開情報に沿って整理します。

1. 改正の位置づけ:何が「法律で」決まったか

改正法は令和6年6月21日公布(法律第59号)。永住許可の要件について、従来ガイドラインで示してきた「公的義務の履行」等を、法律上「この法律に規定する義務の遵守、公租公課の支払等」として明記する(要件の明確化であり、新要件の追加や一律の厳格化ではない旨が、出入国在留管理庁Q&Aでも説明されています)。

永住者の在留資格の取消しについては、入管法第22条の4第1項第8号・第9号などが柱となります。施行時期は公布の日から起算して3年以内に政令で定める日であり、出入国在留管理庁の政策懇談会資料では令和9年4月の運用開始に向けたスケジュールが示されています(最終施行日は政令・官報でご確認ください)。

2. 第8号の核心:「故意に公租公課の支払をしない」とは

出入国在留管理庁「永住許可制度の適正化Q&A」(Q9)によれば、

  • 「公租公課」には、租税のほか社会保険料など公的負担金が含まれる。
  • 「故意に…支払をしない」とは、支払義務があることを認識しながら、あえて支払わないこと(知っていて支払能力があるのに払わない等)を想定。
  • 病気・失業など、帰責性が認めにくくやむを得ず払えない場合に直ちに取消しを想定しているわけではない。
  • 取消事由に該当し得るとしても、実際に取消すかは、不払に至った経緯・督促への対応等の個別事情で判断される。

同Q&A(Q10)では、差押え等で事後的に不払が解消されても必ずしも取消し対象外とは限らない一方、処分の要否は未納額・期間、関係機関の措置への対応等も踏まえ判断され、事後的な解消も考慮される旨が示されています。

3. 義務違反(同号「この法律に規定する義務を遵守せず」)と、日常のミス

Q&A(Q8)では、在留カード不携帯や更新申請の怠慢などについて、「うっかり」に取消しを想定していないこと、本改正は悪質な一部の事案を対象とすることが繰り返し説明されています。

4. 取消しの「実務イメージ」:職権変更が原則

Q&A(Q12)によれば、新設取消事由に該当しても直ちに国外退去に追い込む建付けではない場合が原則です。本邦在留が適当でないと認められる場合を除き、法務大臣が職権で永住以外の在留資格(多くは「定住者」等)へ変更を許可する仕組みです。真正の「永住者の在留資格取消し(在留不可)」は、例として「今後も公租公課を払う意思がないことが明らか」「犯罪傾向が進行」等が挙げられています。

手続面ではQ&A(Q15)のとおり、事実調査・意見聴取を経て慎重に判断され、不服は取消訴訟等が可能です。国・地方公務員による通報(第62条の2)は「義務」ではなく、相談に行っただけで通報されることは想定していない旨もQ&A(Q16)にあります。

5. ガイドライン案・懇談会資料の意味

国会答弁等では、取消の予見可能性・公平性のため、想定事例を示すガイドラインを策定・公表する方針が示されています。令和7年9月の出入国在留管理政策懇談会資料(PDF)では、ガイドラインの位置づけ(法的拘束力を持つ基準ではないこと)や、公租公課の定義、判断の検討項目などが整理されています。メディアで報じられる「案」は、こうした検討過程・例示として読み、最終的には公表済みの最新版を確認することが重要です。


出典・参照(出入国在留管理庁ほか)
永住許可制度の適正化Q&A(法改正趣旨、故意に公租公課を支払わない場合の意義、職権変更、手続・通報等)
在留資格の取消し(入管法第22条の4)(手続の概要)
出入国在留管理政策懇談会資料(令和7年9月29日・第7回会合)(条文抜粋、公租公課の定義、ガイドライン策定の検討経緯、令和9年4月運用開始に向けた整理)
※施行日・ガイドラインの最新版は、法務省・出入国在留管理庁の公表を都度ご確認ください。

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