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経営管理ビザ2025年10月改正——改正前取得者の「3年移行期」と、更新審査の核心「見込み」(2026年6月時点)

2026.6.29 ニュース
令和7年(2025年)10月16日から、経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の要件が改定され、資本金・出資総額または純資産3,000万円以上かつ常勤の職員1名以上が新基準となりました。法改正前に当該在留資格を取得した方には2028年10月16日までの移行期間が設けられていますが、在留期間の更新は自動的には認められません。本稿では、更新審査で最も問われる「新要件を満たす見込み」を、実務目線で整理します。

1. 改正の全体像:移行期間があるからといって「現状維持」は通用しない

2025年10月16日施行の改正により、経営管理ビザの新要件は資本金・出資総額または純資産3,000万円常勤職員1名です。一方、改正前に既に当該在留資格を取得している方(いわゆる「改正前取得者」)については、2028年10月16日までの間、旧要件のまま在留期間の更新が認められる移行措置が設けられています。

しかし、移行期間は「何もしなくても3年間ビザが維持される猶予」ではありません。出入国在留管理庁は、移行期間中の更新審査において、申請時点で新要件を満たしていなくても、移行期間満了までに新要件を満たす見込みがあるかを総合的に判断します。見込みが認められなければ更新不許可となるリスクがあります。

3年間の「猶予」ではない——「段階的模擬試験」である

移行期間は、2028年10月16日の最終期限に向けた段階的な準備期間です。毎回の在留期間更新は、入管庁が設定する中間チェックポイントに他なりません。「見込み」が認められなければ更新は拒否され、2028年10月16日以降は無条件で新要件(3,000万円+常勤1名)の充足が求められます。未達の場合、在留期間の更新はできず高度専門職への変更や永住許可の申請も実質的に困難になります。今から動かない「待ち」の戦略は、在留資格維持の観点では極めて危険です。

2. 更新審査の核心——四つの「見込み」判定指標

入管庁が移行期間中の更新審査で重視するのは、次の四つの「見込み」です。いずれも書類上の言い訳ではなく、継続的な実態と整合する証拠が求められます。

資金の見込み

審査の焦点

決算書上の利益剰余金の推移、代表者個人からの追加出資・貸付の資金流水、借入以外の自己資金による増資計画など、3,000万円基準に対する不足額(最大2,500万円のギャップ)をいつ・どの手段で埋められるか。

実務対策

直近決算の早めの確定、増資スケジュールの明文化、資金源の説明資料(送金記録・議事録)を更新ごとに整備する。

雇用の見込み

審査の焦点

事業量・売上規模が常勤の社員1名を真正に必要とする水準にあるか。単なる「雇う予定」ではなく、具体的な募集時期・職種・業務分担・給与条件が事業計画と矛盾していないか。

実務対策

求人媒体への掲載履歴、面接記録、内定・入社予定日をタイムライン化。パート・アルバイトのみでは「常勤1名」の充足にならない点に注意。

経営実態の見込み

審査の焦点

代表者(経営管理者)の日本国内での出勤日数、取引先との契約・見積・メール等の経営留痕、トラブル発生時の日本語での意思決定・問題解決能力。名義貸し・実態のない「紙上経営」は見込み否定の典型です。

実務対策

入出国記録と出勤簿の整合、主要契約書・請求書の保管、日本語での業務連絡履歴を更新時に提出できるよう整理する。

コンプライアンスの見込み

審査の焦点

社会保険・税金・労働保険の納付状況。滞納・遅延は「要件を満たす見込みがない」と判断される一票否決要因になり得ます。代表者個人の公租公課も含め、履行状況が総合評価されます。

実務対策

納付証明・完了通知の定期取得、延滞なく完納する体制を最優先。コンプライアンスは他の見込みを帳消しにしかねません。

3. 在留期間更新の分岐点——三段階タイムライン

移行期間中の更新審査は、時期によって求められる証明の「厳しさ」が段階的に上がります。以下を自社の更新スケジュールに当てはめて、逆算計画を立ててください。

  1. 2026年〜2027年:計画とコンプライアンスの審査期審査の重点:事業計画書の信頼性 + 財務・税務の適正性

    この段階では、新要件への到達ロードマップと、法人・代表者の公租公課・社保の完全履行が問われます。計画が具体性に欠けたり、税・社保に遅延があると、見込みは認められにくくなります。多くの場合、在留期間1年の更新が想定されるフェーズです。

  2. 2027年〜2028年:実質進捗の審査期審査の重点:資金・雇用・経営実態の「動きがあるか」

    計画だけでなく、部分増資の実行採用活動の着手代表者の継続的な国内経営など、実質的な前進が示せるかが焦点です。見込みの程度により、1年更新かそれ以上かが判断されます。ここで停滞すると、最終期限前に挽回が困難になります。

  3. 2028年10月16日以降:無条件での要件充足審査の重点:新要件の完全充足(例外なし)

    移行期間の終了後は、資本金・出資総額または純資産3,000万円以上かつ常勤職員1名以上の充足が無条件で必要です。未達の場合、在留期間の更新は認められません。また、高度専門職への変更や永住許可申請も、要件未達のままでは実質的に道が閉ざされます。

4. 今すぐ取るべき五つのアクション

  1. 直近決算の早期整理: 純資産・利益剰余金の現状を把握し、3,000万円までのギャップを数値化する。
  2. 資金調達ルートの設計: 増資・個人出資・内部留保の組み合わせと時期を事業計画に明記する。
  3. 採用タイムラインの作成: 職種・募集開始月・入社予定日を、売上計画と整合させる。
  4. 経営留痕の台帳化: 出勤記録、契約・請求・主要メールを更新提出単位で保管する。
  5. 社保・税務のゼロ遅延: 法人・代表者ともに、滞納・延滞がない状態を維持する(コンプライアンスは最優先)。

関連する当社ニュース:永住・在留更新の手数料「上限」見直し(2026年5月)永住許可の適正化と公租公課の履行(2026年1月)。在留資格・永住に向けた長期フォローは、資産管理コンサルティング(ビザ・永住支援)のページもご参照ください。


まとめ:移行期間は「合格への準備期間」である

経営管理ビザの2025年10月改正は、改正前取得者にとって2028年10月16日までの3年間が与えられています。しかしそれは休息期間ではなく、入管庁が資金・雇用・経営実態・コンプライアンスの四つの「見込み」を段階的に審査する模擬試験です。計画の具体化、実質的な進捗、そして公租公課の完全履行——この三つを今から積み上げなければ、最終期限の到来と同時に在留資格の継続は困難になります。

出典・参照(2026年6月29日時点)
・出入国在留管理庁「経営・管理」在留資格に関する公開情報・運用要領
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00093.html
・出入国管理及び難民認定法及び関連政令の改正(2025年10月16日施行)
※個別の在留申請は事案ごとに審査され、本稿は一般的な整理であり、法的助言ではありません。最新の運用・告示は必ず官公庁の一次情報でご確認ください。

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